you me

Toshifumi Tafuku


「旧型の、いかつい風貌のバイクだった。そこには優美なラインもなく、小奇麗に外見を整えたようなところもなかった。(中略)

そのオートバイが美しいとすれば、それは銃器が時折感じさせるあのあからさまで無骨な機能美に似ていた。そこにはたしかに

ずっしりとした重みがあった。そしてぎゅっと腹をへこませたその格好は、まるで背を丸めた細みの犬が草原に立っているようだった。」

ジョン・アーヴィング「熊を放つ」より



●かつてはその人の膝の前に跪いた記憶が、今度はその人の頭の上に足を載せさせようと するのです。


夏目漱石「こころ」より